UVCウイルスキラー装置自体にも「空間除菌」と記されておりますが、巷であふれている「空間」に対しての「除菌(不活性化)」の定義は曖昧だと考えております。
「次亜塩素酸」「オゾン」などを空間内に噴霧して「空間除菌」とするのも、実効性で考えると非常に曖昧になります。噴霧(発生)装置から空間に拡散した「成分」が部屋の隅々まで拡散したとしても、その地点での「有効性」という問題がでてくるからです。その地点において菌・ウイルスなどの対象物に対し「有効濃度」「作用時間」などが不安定になるからです。また、エビデンスでは「密閉空間」であることが多いですが、実際には店舗などにおいては二酸化炭素濃度が1,000ppm以下に常に抑えられている換気環境下であるためです。
新型コロナウイルスにおいても、部屋での会話における飛沫の拡散シミュレーションを目にしますが「工学的見地」では部屋奥まで拡散する様子が導かれてます。ただし実際は「医学的見地」として拡散した先の飛沫やウイルスがどこまで感染価があるのかが重要になるのと同じです。
紫外線においても、ただ照射すれば光が当たる範囲、空間を通過する全ての菌やウイルスに有効性があるわけではありません。そうであるならば、晴れて太陽光の紫外線が地上に降り注ぐ日中では新型コロナウイルスの感染事例が起きないはずです。
例えるのであれば、「火」は菌やウイルスを不活性化させ滅菌することもできます。そこで部屋の中でロウソクを灯す、もしくはガスコンロで火をつけた状態で放置すれば、火付近を通過する菌やウイルスは不活性化するから「部屋(空間)全体は除菌されている」とするようなものです。
使用する紫外線ランプの「紫外線スペクトル(波長における光の強度分布)性質」「照度」「紫外線出力」などのスペックに加えて「照射(作用)時間」「照射距離」「反射板」などの環境が重要になります。さらに殺菌(不活性化)効果は照射時間の積[殺菌線量(J/m²)]で決まります。
紫外線灯を照射すれば、照射物および通過する菌やウイルスが不活性化するというのは「紫外線には菌やウイルスを不活性化する」という事だけに注目しただけに過ぎません。
そのようなことから、紫外線の実際の有効性については照射条件・環境が重要であるわけです。店舗など「換気環境」の中では、直接照射による空間作用は低効率ということになるかと思います。
UVCウイルスキラー装置を設置するということ
装置下部より装置内へ吸気
- 吸気用ファンによる強制吸気ではなく、上部排気ファンによる吸気作用で装置内へ空気を取り込みます。UVCウイルスキラー装置(以下「装置」と略)は空気中の「塵・埃」を除去するのが目的ではありませんので、緩やかな吸気をおこないます。
装置内においてUV-C紫外線灯による菌・ウイルス不活性化
- 装置には殺菌(不活性化)力に特化した254nmの紫外線を放出し、アルミニウム製ボディーの中で照射します。
- 装置に使用されている殺菌ランプはUV-Cの出力効率が中圧や高圧水銀ランプに比較して大変高く、また、従来これらのランプの欠点であった寿命末期までのUV-Cの出力の減衰を先端技術により、きわめて低く抑えております。また発光管にはフィリップス独自の高品位ガラス素材を使用し、UV-Cの高透過率を誇ります。装置内には照度が10wJ/cm²の30wと15wのランプが機能します。紫外線出力は一般的な紫外線殺菌灯では5w程度であるのに対して、装置内に採用されている30wタイプは11.1wという高出力になります。
装置内は定期メンテナンスされるアルミニウム反射板(殺菌線反射率60~89%)になっており、そこをとりこまれた空気は不活性化採用時間(一般紫外線殺菌灯は10秒〜20秒・UVC殺菌灯は2~6秒)を経て装置内を流動します。装置幅は約15cmですので常に有効照射距を保ち、装置内で効率的に菌・ウイルスを不活性化させることができます。
装置上部より2基のファンにより排気
- 装置内でコロナウイルスや結核菌(紫外線に弱い)などが不活性化された空気を1m超える高さへ排出いたします。ファンの強さは3段階あり最大で約42m²(26畳程度)の部屋を30分程度で満たす程度の量を排出いたします。そのようなことから、店舗内風上に設置すると効率的に処理済の空気を店舗内へ送り出すことができます。
UVCウイルスキラー装置を設置するということ
- ウイルスキラー装置は装置内という「空間」を限定させ、UVCにおける「作用時間」「作用距離」と、高出力のランプで装置内の空気に含まれる菌やウイルスを不活性化させた装置内の空気を設置してある店舗内に放出させることにより店内換気と合わせて環境リスクの安全性を導く装置です。
- ウイルスキラー装置があるから店舗内の空気は安全・安心というわけではありません。加えて理美容師法で定められた換気機能や、接客の際の感染症対策をし、呼吸器系に負担がかからない湿度管理などしてこそ「サロンの安全・安心」が生まれます。それを踏まえた上で我々はUVCウイルスキラー装置を設置するということは理美容店が戦後からたたかってきた2類指定感染症「結核」や「新型コロナウイルス・COVID-19」だけを見据えた「安全・安心」ではなく「次世代」を考えた店環境への礎と考えます。